[江田島市地域おこし協力隊・守本さん×ソアン代表・中村]多様な価値に触れ、学校という枠を超えること【対談】
地域おこし協力隊とデザイン
(中村)本日は、先ほど本校のキャリア講演をしていただきました、江田島市地域おこし協力隊の守本怜矢さんと地域で学ぶことについて対談させていただきます。守本さんよろしくお願いいたします。
(守本)よろしくお願いします。
(中村)なんだか、かしこまって話すのもちょっと緊張しますね。いつも通りざっくばらんによろしくお願いします(笑)
まず守本さんのことを深掘りしたいと思います。現在は江田島市の地域おこし協力隊として様々な取り組みをされていると思いますが、具体的にはどのようなことをされているのか簡単に教えていただいてもよろしいでしょうか。
(守本)はい。現在は、地域おこし協力隊という形で、子どもたちに海の生き物を知ってもらって、それを教育に生かしていこうという認知活動や新しい挑戦の支援をさせていただいています。他には、個人の仕事として、デザインや建築の設計、講演会やグラフィック関係の仕事をしています。
(中村)守本さんと初めて会ったのは大学院の授業だったと思いますが、スライドが見やすい、プレゼンがわかりやすいという印象が強かったです。その時は知りませんでしたが、何かデザイン関係の仕事をされているのかなと思っていました。今回の本校でのキャリア講演でも勉強になる内容がスライドに散りばめられていて、興味深かったです。講演後もデザインに興味ある高校生が声をかけていたりしましたよね。
(守本)あっという間の時間でしたが、中高生に伝えたいことが伝えられたかなと思っています。講演後にたくさん声をかけていただいて、とても嬉しかったです。
(中村)今後はどのような取り組みをしていくのか展望はありますか。
(守本)そうですね、地域おこし協力隊を通して地域の資源について学ぶことができたので、私の専門でもある建築との相性がいいなと思っています。具体的には、瀬戸内の魅力という大事な資源をいろんな人に楽しんでもらいたいので、みんなが暮らしやすい仕組みを作り、不動産事業で起業しようと考えています。ぜひ今度遊びに来てください!
(中村)江田島は本当素敵な場所ですよね。ソアンでもですが、個人でもぜひ遊びに行きますので、江田島の推しスポット教えてください!
「見えない壁」のない学校
(中村)ここで少し話題を変えたいのですが、今回本校に来校しキャリア講演をしていただきました。生徒とも関わる時間があったと思いますが、どうでしたでしょうか。
(守本)まず最初に自由が認められている学校のような印象を受けました。それは校則とかではなく、心理的安全性が担保されている学校だと感じました。
(中村)なるほど。そのようなフィードバックをいただくのは初めてなのですが、具体的にはどのようなことでしょうか。
(守本)例えば、今日の講演時に「手を挙げて意見を教えてください」と伝えた時に中学も高校も全校生徒がいる中で、多くの生徒が手を挙げて、且つちゃんと意見を伝えることができていましたよね。これって、自分の意見を言ってもいいんだという学校の雰囲気がないとできないことだと思います。他の学校でも講演をするのでわかります。
許容というか、一人一人が認められている学校なんだなと感じました。
(中村)確かに、言われてみればそうかもしれません。全校集会で学年関係なく手を挙げて発表する光景はよくみます。学校の教育理念にもありますが、「DoForOthers in Christ」に沿って自然と「受け入れる」雰囲気があるかもしれません。また、本校では礼拝の時間が毎朝あり、全校生徒の前で話す機会が多いので、人前で話すことにも慣れているのかもしれません。新鮮な視点ありがとうございます。
(守本)内部にいると見えないこともありますよね(笑)先ほどの話に追加すると、私が公立中学校にいた時、見えない壁に直面することがたくさんありました。良くも悪くも「ちゃんとやろうよ」が前提で、許容力がなく、枠の中に収まる子を作るという印象がありました。そのため、心理的にハードルが常にあって、何かやりたいって言っても、それがどう見られるのかを意識しちゃうところがいつもありましたね。だから挑戦できないことが多かったです。三育は、ある意味独自の空間があって、その中で子どもたちがやってみたいことを自由にさせてもらえている安心感があるような気がしました。いいなって思ったらいいなって言えるし、楽しいとわははって笑える。それって、人に認められて育っている証拠だし、社会に出た時も自己表現することがうまくできると思います。キャリア講演でその点も伝えようと思っていたのですが。すでに素地はかなり育っていて、才能のある子たちが多い場所だなと感じました。
(中村)ありがとうございます。素直に嬉しいです(笑)
地域で学ぶという価値
(中村)本校はソアンという活動を行っています。アントレプレナーではなく、あえてソーシャルとしているのですが、地域で学ぶ、地域の困りごとを解決する経験を教育の中で取り入れることで考えられるメリットなど守本さん視点で教えて欲しいです。
(守本)そうですね。私が今協力隊としてやっていることを先にできていることが羨ましいと思っています。しかも、高校ではなく中学校から取り組んでいることに。中学生の時期って地域から隔絶される期間なんですよね。すごくいろんな価値観を学びたい時期なのに、多様な価値の人に触れることができない。地域なんて言葉考えたことないですし、祭りが近所でやっていることすら知らなかったりしますから(笑)だから、ソアンを通して、すでに地域の中に居場所があるんだという心理的ハードルが下がった状態で次のステップに進めるのは大きなアドバンテージだと思います。
地域という仮のフィールドがあることによって、自分だったら地域でどういうアクションをしようというアクションする前提に学べることに価値があると思います。
(中村)確かにそうですね。アクションする前提に学べるのは、すでに一歩前に出て思考しているということですよね。
(守本)だから、ほんとに素晴らしいと思ったんですよ。羨ましいです(笑)
(中村)まだ始まったばかりなので、これからどのようにスケールして、学習効果を高めて、キャリアに繋げていくのかが今年勝負だと思っていますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
(守本)こちらこそです!
(中村)本日はありがとうございました。
(守本)ありがとうございました。次回は江田島で(笑)
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